KAORIalive | 本戦審査員インタビュー

審査員インタビュー
コレオグラフ力を見極める視点 /
コレオグラフ賞 選定審査員

『Legend Tokyo』優勝以後、輝かしい活躍を誇ってきたKAORIalive。

歴代覇者としての実力もさるものながら、特筆すべきは日本で最も次世代振付師を輩出し続けていることだ。

前大会覇者のakaneをはじめ、『FINAL LEGEND 9』公演では彼女から学んできた出展振付師が実に半数近くにおよぶ。

まさに〝次世代を生む達人〟が見極める視点とは!?

日本で最も多くの次世代振付師を輩出した振付界のゴッド・マザー!

日本で最も多くの次世代振付師を輩出した
振付界のゴッド・マザー!

Legend Tokyo Chapter.4 レジェンド
振付家 / 演出家
日本オリンピック委員会 振付アドバイザー
Memorable Moment主宰 / K-fam主宰
KAORIalive

PROFILE

国内外のコンテストで輝かしい成績を収める国際的コレオグラファーとして活躍。2014年『Legend Tokyo』優勝後、小池修一郎に見出され宝塚歌劇を始めとする数々の名だたるミュージカルの振付を担い、2015年ミュージカル・ベストテンの振付賞を受賞。近年では水泳競技の強化スタッフ就任やプロデュースチームK-famでの挑戦など、その活躍は多岐にわたる。

いかに集中して観てもらい、心を動かすのか?
コレオグラフの技量はそこが問われる。

作品の完成度を高める作業に終わりはない。

──KAORIaliveさんは振付師としてさまざまな活躍をされていますが、近年では水泳競技の強化スタッフに就任されたんですよね?

アーティスティックスイミングのオリンピック強化選手の振付アドバイザーに昨年就任しました。

以前は〝シンクロナイズドスイミング〟という競技名でしたが、名称変更とともに芸術性や音楽性を含めた作品づくりが重視されるということで、お声がけいただいたんです。

入水するまでの陸上動作は私が担当していて、水中でのパフォーマンスは音楽との関連制や全体構成などのアドバイスを行なっています。

──近年ではコロナ禍でダンサーの活動も制限されていましたが、その期間はどうされていましたか?

もともとやっていた映像作品を作ることに集中していました。

あの時期は本当にできることが限られてて発散できる場もなくて、みんな不安に押しつぶされそうだったと思います。

そんな中、どこよりも早く大規模なダンス映像作品のコンテストをはじめられた『Legend Tokyo』はさすがだと思いましたよ!

──ちなみに映像作品と舞台の作品での振付の違いってどんなところがありますか?

映像は観る人の視点を自由に動かせるのが大きいですね。

舞台だとそれができないので、振付と構成で視点を誘導するか、あえて「どこを観てもいいですよ」という作りにするかという選択が必要です。

私自身は映像作品で培った〝視点を誘導する〟ということが舞台作品を作る上でもすごく役に立っていますね。

──では、舞台作品の振付で意識されていることはありますか?

やはり「ギリギリまで諦めない」ことでしょうか。

作品に終わりはないので、初日の幕が上がるギリギリまでダメ出しをしますし、やっぱり自分の中では突き詰めていきたいという思いがあるんです。

あと1番は、やはり演出家が求めているものをくみ取って、プラスそこからお客さまが求めているものを考える。

そこのバランスが柔軟じゃないと難しい……というか大切にしないと振付師は難しいと思いますね。

揃ってなくてもいい。ただそこに違和感があったらダメ!

──AORIaliveさんの過去作品に出演された方は、今では振付師として活躍されたり、大会に挑戦される方が多い印象ですが何か理由はあるのでしょうか?

なぜでしょう……!?

あるとすれば、私自身が常に進化していきたい想いがあって、みんなにも同じように「もっと挑戦しよう!」、「私を超えて!」と伝えているからかもしれません。

私みたいな振付師になりたいと言ってくれる子もいるので、そういう子たちには「じゃあレジェンドの予選出てみよう!」って言いますね。

だいたい「もっと実力がついてから……」って返されるんですけど、「いやいや、今でしょ!?」って私も言い返すんですよ(笑)。

──挑戦することの大事さを自ら示しつつ、背中を押されているんですね!

前回優勝したakaneにも初挑戦の時は同じやりとりをしましたよ。

挑戦しないと分からないことがたくさんありますし、勝っても負けてもやっぱり挑戦するのに早いに越したことはないのは間違いないですから。

それに、やはり挑戦する人って美しいと思うんです。

──今回は「コレオグラフ賞」の審査もご担当いただきますが、〝振付の技術〟についてはやはり揃っている方が評価が高いのでしょうか?

別に揃ってなくてもいいと思いますよ。

ガッチリ揃えるのもあれば、全員が別々に踊るのも振付の技術だと思います。

ただ、そこに〝違和感〟があったらマイナスです。「あれ、この人違う動きしたな」ってノイズで作品に没頭できない時間があったらダメなんです。

ですから、いかに集中して観てもらえるか、どういう風に観る人の心を動かすか、ということができるのが振付技術の高さだと思います。

──なるほど! そうしましたら全体的な評価のポイントを教えてください!

やっぱりダンスってマネをすることから始まってると思うんですけど、新しいもの、観たことがないものを観たいですね。

荒削りであっても独創性があるものを高く評価したいと思っていますし、そういった素晴らしい作品に出会えるのを楽しみにしています!

このポイントを重視して審査!

いかに違和感なく作品に没頭できる振付であるか!?

JOB FILE

Legend Tokyo Chapter.4
最優秀作品賞〝レジェンド〟受賞!

2014年『Legend Tokyo Chapter.4』において、自ら率いるMemorable Momentとして最優秀作品賞〝レジェンド〟を獲得!

ミュージカル「ロミオとジュリエット」振付

大会優勝後、審査員であった小池修一郎の手がける「ロミオとジュリエット」をはじめ数多くのミュージカル振付を手がけ続けている。

アーティスティックスイミング振付アドバイザー

2022年より、アーティスティックスイミングのオリンピック強化スタッフの振付アドバイザーに就任!

真風涼帆コンサート「unknown」演出・構成・振付

元宝塚歌劇団トップスター真風涼帆の退団後初となるコンサートが2024年4月に開催。振付のみならず、演出・構成も手がける!

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