染谷 誓一|本戦審査員インタビュー

審査員インタビュー
エンタメ作品としての視点 /
エンタメ賞 選定審査員

 チケット販売をはじめ、メディア展開やイベント事業でエンタメ文化の発展に貢献し続けている「ぴあ」。

 そんな同社の中で書籍やイベント制作を手がけるコンテンツ・プロデュース部門の総指揮者であり、長年『Legend Tokyo』を支え続けてきた存在が染谷氏だ。

 コロナ禍中にもエンタメビジネスの潮流を最前線でみてきた重鎮に映るダンス界とは!?

「ぴあアリーナMM」をはじめとする ぴあコンテンツ制作の総指揮者!

「ぴあアリーナMM」をはじめとする
ぴあコンテンツ制作の総指揮者!

ぴあ株式会社 執行役員
株式会社東京音協 代表取締役社長
染谷 誓一

PROFILE

「チケットぴあ」において日本各地の責任者を経て、2012年よりコンテンツ事業局長として、イベント、出版など コンテンツ事業を取りまとめる。2015年にグループ会社である東京音協の代表取締役に就任。現在はメディアやライブエンタテイメントのプロデューサーまた2020年に開業した「ぴあアリーナMM」事業など、多角的な事業を企画統括している。

コロナ禍という未曾有の状況からの復活、
今までの流れにない新しい表現者の登場を期待!

コロナ禍を経て、エンタメ界の潮流は今!?

──染谷さんは、コロナ禍中に国内の民間企業初となる大規模会場「ぴあアリーナMM」のオープンに大きく携わられていたんですよね?

そうですね、2020年に開業した当初はコロナの影響で何もできない状況が続きましたが、今ではもう来年の冬まで音楽系のコンサートを中心にイベントがいっぱいになっています。

逆に配信サービス事業についてはアフターコロナの今は、大きくダウンしているというか飽きられている印象はありますね。

──ちなみにコロナ禍を経て変わった業界の変化として何が印象的ですか? 

ライブエンターテインメントの規模が大きくなってきていますね。

ホールや劇場といった会場からスタジアムやドームでの開催がより増えている印象があります。

そしてこれから先も千葉、兵庫、愛知などいろんなところでアリーナクラスの大きな会場ができるんですよ。

そういった大きな会場だと、音楽のコンサートでもダンスパフォーマンスが取り入れられることが多いのでこれからますます振付師の存在も大きくなっていくと思いますよ。

──今では歌って踊るアーティストグループもたくさんいますからね!

そういう点で考えると、今のK-POPの勢いは本当にすごいですね。

毎月新人がデビューしていてどんどん日本にも出てきているし、新人の時点で完成度が高い。

やはり競争率が高いから、元から歌やダンスが上手くてルックスがいい人材を、今度はデビューするまでの準備期間でものすごく磨きあげて世に出すわけですから、クオリティの高さもレベルが違う印象ですね。

──では、日本のエンタメがK-POPに学べる点はどういったところがありますか?

日本は日本で成功するとそれで経済的に問題ないのが問題なんですよ。

韓国は市場規模でいうと日本に比べると小さくて、人口も日本の半分以下だから韓国国内で成功するだけでは足りなくて、最初からグローバル市場に挑戦する視点を持っているんです。

デビュー前の育成の時点で2カ国語をしゃべれるようにしますからね。

異なる視点と評価が一致する時。レジェンドが生まれる!

──国内だけではなく海外へ挑戦する考え方や姿勢がそもそも違うんですね!

今はTikTokやYouTubeなどネットを通して映像でダンスが世界に広がりますので、それこそコロナ禍で開催されたダンス映像作品コンテスト『Legend Tokyo CHRONICLE』はすごくいい企画だと思いましたよ!

今のダンスの仕事は〝映像を通して見るダンス〟が多いですし、ビジネスチャンスを考えた時に「映像的な表現の中でどうダンスを魅せるのか」という点は重要になってきますから。

──確かにテレビやネットでもダンス映像は世にあふれていますね。

ダンスや振付が上手い人たちはどんどん増えていますからね。

だけどクリエイターはあまり増えてはいません。

だからこそ、求められている視点を意識しながらクリエイティブができる人はもっと活躍していけると思います。

そういった意味では久々にライブでの開催となる『Legend Tokyo』は非常に楽しみですね!

──大会には5年ぶりに審査員としてご参加いただきますが、どういったところを楽しみにされていますか?

コロナ禍という未曾有の状況からの復活なので、今までの流れにない、新しい表現者が出てくると思っています。

審査員としても純粋に自分が見て面白いものを評価したいですし、自分の心が揺さぶられるのがダンスなのか、クリエイティブなのか色々視点はありますが、まずは自分の心に正直に感じたいと思っています!

──具体的に「こういう作品が観てみたい」という期待はありますか?

やはり、今まで観たことのない作品ですね!

ただこの大会は、異なる視点をもった各分野のプロが審査員として集まっているので、「こうすれば勝てる」ということはありません。

そんなバラバラの視点の審査員たちなのに「これは素晴らしい!」と評価が一致する時があります。それこそが〝レジェンド〟の優勝作品なんですね!

過去の優勝者を観ても目覚ましい活躍をされている方ばかりなので、またそういった方がこの大会から生まれることを楽しみにしています!

このポイントを重視して審査!

求められている視点を意識しながらクリエイティブができる人!

JOB FILE

「ぴあアリーナMM」
開業プロデュース

2020年7月・横浜みなとみらいに、国内初事例となる民間企業が単独主導する1万人規模ライブ会場をオープンさせた!

「神宮外苑花火大会」
プロデュース

©日刊スポーツ新聞社

1万発以上の花火とスペシャルライブが夜空を熱く彩る東京の夏を代表する風物詩。今年は8月12日に開催された!

マイケル・シェンカー
50周年来日公演

2022年に開催されたマイケル・シェンカーの音楽活動50周年を記念した4年ぶりの来日コンサートを手がけた。

書籍「ジェイソン流お金の増やし方」

「オリコン年間BOOKランキング 2022」1位を受賞した、厚切りジェイソンによるお金に関する書籍が、ぴあより発刊!

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